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日本らしさ [日本(人)]

   私はむしろ日本は小国のままでよいと思っている。魅力のない大国よりも、魅力のある小国であるべきだ。日本が世界に誇るべきは他でもなく、「伝統に裏打ちされた文化」なのである。
そして国際社会の中で日本が目指すべきは「小さくとも尊敬される国」だと私は思う。
しかし、その日本から「伝統に裏打ちされた文化」を取り上げたら、いったい何が残るというのだろうか。私は伝統に裏打ちされた文化が、「日本らしさ」の源だと考える。

語られなかった皇族たちの真実-若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」
竹田 恒泰 (著)
小学館 (2005/12)
P248

IMG_0029 (Small).JPG大正屋椎葉山荘

P209
 二〇一一年の日本は「千年に一度」の災害といわれる東日本大震災から、復興に向かうことになった。最大の問題は福島の原発事故の処理で、それは間違いなく大きな仕事だが、日本の経済を根本から崩すほどのものではないだろうと、私は思っている。
理由は簡単だ。日本人は能力があり性格がいい。しかも極端な利己主義者ではない。
この二大要素を兼ね備えた民族などというものはほとんど世界にないからである。

P210
しかし最大の幸運は、私たち日本人が、最高に信頼に足る上質な一億人の同胞を持っていたことだ、と私は深く感謝している。
 自衛隊、警察、消防、東京電力関係者、その他、民間のあらゆる人々のほとんどが、危険の故に職場放棄をしなかった。その心にあった思いを私は推測することはできず、今私にできるのは感謝だけなのだ。
 戦後の日教組的教育や、進歩的文化人が、「人のために命を棄てるなどというのは、資本家や軍部(時には皇室)の利益のために使われるようなものです」と若い人たちに教えたが、その言葉の嘘を、健全な人々は肌で感じていたのだろう。  事故の収拾のために、そうした人々が整然と出動して行った時、私の心に自然に浮かんだのは万葉集の山上憶良の次の歌であった。
「士(おのこ)やも 空しかるべき 万代(よろずよ)に 語り継ぐべき 名を立てずして」
 この歌は戦争中に育った私たちは皆よく知っているのだが、若い世代の読者のために現代語訳をつければ、こういうことになる。
「男子たるものが、空しく終わってよいものか。万代に語り伝えられるに足る名前を立てもせず(つまり立派な行為もせずに)」
というような意味である。
~中略~
 この山上憶良は下級完了だから、山上臣(やまのうえのおみ)憶良と書くのが正しいそうだ。しかしこの歌は、彼が病気だった時に、藤原朝臣八束(ふじわらのあそみやつか)という人が見舞いの使者を送った時、かなりの威勢の悪い顔つきで、詠んだ歌だという。
 しかしそういう背景を考えなければ、この歌は、一種の普遍的な日本人の美学になっていた。
西欧のキリスト教社会なら、消防士は聖書のいう「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(「ヨハネによる福音書」15・13)という言葉によって危険な場所に突入する。
しかし日本人は万葉集だ。
いずれにせよ、人の生涯にはただ生活の手段だけではなく、生きる美学も終わる美学も要るのだ。それが今回、すべての人にとは言わないが、多くの人の胸の中で自然に、何千年も昔の蓮の種が芽を出すように蘇ったように見える。まことに慶賀すべきことだ。
 誰もが言うことだが、阪神・淡路大震災の時と同じように、地震後も、略奪、放火、騒擾(そうじょう)などの被害は皆無と言ってよかった。普段と同じか、それより少ないくらいの軽い犯罪しか出なかった。これは、どこの国でも考えられないことなのだ。
 ことに私のように何十度も、世界の貧困国の実態を見て過ごした人間には、奇跡のように映る。~中略~
 飢餓のエチオピアに、私はいた。NATO軍がそらから穀物の袋を投げると、まず四割の袋は多かれ少なかれ破れて、中身の一部が散乱した。大袋は管理者が持ち去って公的な搬出作業が終了すると、人々は我がちに、それこそバッファローかヌーの大群のように砂煙をあげて散乱した麦粒を拾いに走り出した。私はアフリカの大地が揺れ蠢(うごめ)くのを感じた。
穀物の粒ができるだけ多く散っている地面を確保するために、女たちは罵り合い、摑みあった。~中略~
  生きることが動物の究極の目的だから、災害時には摑み合いをし、罵り合って生きる場合もあって当然なのだろう。
しかし日本政府は今までのところ、そこまで無力ではなかったから、日本人は動物に堕ちることを避けて、美しい人間を保ち続けられた。
地震後も、身内の安否を気にかけながら、食料、燃料、暖を取る衣服もない辛さに耐えるのは厳しいものだっただろうが、エチオピアのように数週間、草を食べて生き延びるという人はほとんど出ないだろう。その修羅場のような光景が出現することを未然に防げたことが、つまりは日本の国力であり、同時に日本人の精神力だったのだろうと思う。

人生の原則
曾野 綾子 (著)
河出書房新社 (2013/1/9)
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国際舞台において、日本人であることは、それだけで大きな強みになっているということです。
日本人は諸外国から尊敬されています。「自分が、自分が」と主張する欧米タイプではなく、自分は退いて、相手を立てる。傍から見れば、もっと主張してもいいのにと思うほどだけれど、そうしない。穏やかな印象にとどめておく。
 そうした振る舞いから生まれる美徳は、日本の外交、そして日本のビジネスの長所として捉えるべきでしょう。
 ゆえに、外交もビジネスも、いままでどおりのスタンスでやればいいと私は考えます。
巷で言われるように欧米化する必要など、絶対にありません。
 もちろん、相手のやり方を知っておくことは重要です。海外の土俵で経験を積み、さまざまな分野で知見を広げていくことには大いに賛成ですが、いいところは貪欲に取り入れる一方で、「日本人であること」には誇りを持ち続けてほしいと思います。

交渉プロフェッショナル
島田 久仁彦 (著)
NHK出版 (2013/10/8)
P190


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